特定技能2号試験の合格者が1年で約5倍に―これから「2号外国人」が増える?

特定技能2号が本格的に動き始めています

特定技能制度について、これまで中心となってきたのは「特定技能1号」でした。

しかし、出入国在留管理庁が公表した令和7年12月末現在の資料を見ると、特定技能2号の技能試験が急速に動き始めていることが分かります。

特定技能2号技能試験の合格者数の合計は、

令和6年12月末 4,390人
令和7年6月末 10,349人
令和7年12月末 23,205人

となっています。

わずか1年間で、

4,390人 → 23,205人

です。

約5.3倍になりました。

令和7年後半だけで、約1万3千人増加

さらに驚くのは、直近半年の伸びです。

令和7年6月末には10,349人だった2号技能試験合格者が、12月末には23,205人となっています。

半年間で12,856人増加しました。

令和7年12月末までの2号技能試験の受験者数は、合計53,099人となっています。

「特定技能2号はまだ一部の外国人だけのもの」と考えていると、数年後には状況が大きく変わっているかもしれません。

分野によって2号試験の進み方には大きな差があります

ここも重要です。

2号試験は、すべての分野で同じように進んでいるわけではありません。

令和7年12月末の資料では、例えば建設分野の2号試験について、受験者18,767人、合格者6,494人とされています。

工業製品製造業では、2号試験の受験者6,689人、合格者3,341人です。

一方、分野によっては2号試験の受験者・合格者がまだ非常に少ないところもあります。

つまり今後の2号外国人数を考えるときには、単純に「特定技能2号全体」で見るだけでなく、

どの分野で2号への移行が進んでいるのか

を見る必要があります。

「試験に合格=特定技能2号」ではありません

ここは誤解しやすいところです。

技能試験に合格したからといって、その人がそのまま特定技能2号になるわけではありません。

特定技能2号の在留資格を取得するためには、各分野で定められている要件を満たし、在留資格の申請を行い、許可を受ける必要があります。

したがって、

「2号試験合格者23,205人=特定技能2号在留者23,205人」ではありません。

今回の資料から分かるのは、2号への移行につながる可能性のある試験合格者が急速に増えているということです。

この点は、統計を見る際に注意したいところです。

なぜ特定技能2号が重要なのか

特定技能1号と2号には、大きな違いがあります。

特定技能1号は、原則として通算在留期間に上限があります。

一方、特定技能2号は在留期間を更新することができ、要件を満たせば配偶者や子の帯同も可能です。

そのため、外国人本人にとって特定技能2号は、単に「もう少し日本で働ける」という制度ではありません。

日本で長期的な生活やキャリアを考えることのできる在留資格という意味を持っています。

企業側にとっても同様です。

これまで特定技能1号外国人については、「最長5年間」という時間を意識して人材育成を考える必要がありました。

しかし、2号へ移行できる人材であれば、より長期的な雇用を考えられる可能性があります。

1号の支援だけでなく「2号へのキャリア」を考える時代へ

これから企業が特定技能外国人を受け入れる場合、

「特定技能1号で採用する」

ところで終わるのではなく、

1号で経験を積む

技能を高める

2号試験に合格する

要件を満たして2号へ移行する

という外国人本人のキャリアまで考えるケースが増えていくのではないでしょうか。

登録支援機関や外国人雇用に関わる専門家にも、1号の支援だけではなく、2号制度について正確な知識を持つことがますます求められそうです。

特定技能2号は「これから」の制度

令和6年12月末から令和7年12月末までの1年間で、2号技能試験の合格者は4,390人から23,205人へ増えました。

この数字を見る限り、特定技能2号はまだ完成した市場というより、これから本格的に人数が積み上がっていく段階にあると考える方が自然でしょう。

今後は、

「どの分野で2号が増えているのか」

「どこの国籍の外国人が2号へ移行しているのか」

「1号から2号へ移行するためには何が必要なのか」

といった点にも注目していきたいと思います。

※本記事は、出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況(令和7年12月末現在)」をもとに作成しています。試験に関する数値は速報値であり、令和7年12月末までに実施され、資料更新時点までに結果が公表された試験等が集計されています。

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