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外国人社員も育児休業・介護休業を取れる?―「外国人だから対象外」ではありません
外国人社員を採用する企業が増える中で、外国人社員も日本で長く生活するようになっています。
日本で結婚する人。
子どもが生まれる人。
夫婦で子育てをする人。
そして、家族の介護が必要になる人もいます。
そんなとき、
「外国人社員でも育児休業を取れるの?」
「外国人にも介護休業の制度は適用されるの?」
と疑問を持つ企業担当者もいるかもしれません。
基本的な考え方は、とてもシンプルです。
外国人だからという理由だけで、育児休業や介護休業の対象外になるわけではありません。
厚生労働省の資料でも、育児・介護休業や子の看護のための休暇について説明し、要件を満たせば有期雇用の社員も対象となることを示しています。
外国人社員も、日本で働く一人の労働者です。
育児休業とは?
育児休業は、子どもを育てるために一定期間仕事を休む制度です。
厚生労働省の資料では、外国人社員に対して、
「子どもが生まれてから1歳になるまで、子どもを育てるための休み」
という形で分かりやすく説明しています。
ここで大切なのは、
育児休業は女性だけの制度ではない
ということです。
厚生労働省の外国人向け説明例にも、育児休業は父親も母親も取得できることが明記されています。
外国人男性社員から、
「妻に子どもが生まれるので育児休業を取りたい」
という相談があっても、特別なことではありません。
企業側も、外国人・日本人、男性・女性という先入観を持たずに制度を案内することが大切です。
正社員でなければ利用できない?
「外国人社員だから」という問題と同じように、
「契約社員だから育児休業は取れない」
と思われていることもあります。
しかし、厚生労働省の資料では、育児・介護休業等は、要件を満たせば有期雇用の社員でも取得できると説明しています。
つまり、
「外国人だから」
「正社員ではないから」
というだけで判断するのではなく、制度ごとの要件を確認することが必要です。
外国人社員から相談を受けた企業は、最初から「無理です」と答えるのではなく、まず対象になるかを確認しましょう。
有給休暇と育児・介護休業は別の制度です
外国人社員にとって分かりにくいのが、
「有給休暇」
「育児休業」
「介護休業」
などの違いです。
すべて日本語では「休む」制度ですから、日本で初めて働く外国人にとって区別が難しいのは当然でしょう。
厚生労働省の資料でも、育児・介護休業と有給休暇の違いが分からない外国人社員がいる可能性があるため、要件を含め、それぞれの違いを説明することが望ましいとしています。
会社側も、
「有給を使ってください」
で終わらせるのではなく、育児や介護のために利用できる制度があることを伝えておく必要があります。
休業中のお金についても説明する
外国人社員にとっては、
「休めるかどうか」
と同じくらい、
「休んでいる間の生活はどうなるのか」
が重要です。
厚生労働省の資料では、育児・介護休業について、一定の要件を満たした場合には国から給付金が支給される制度があるため、休業できる期間だけでなく、収入面の保障についても説明することが望ましいとしています。
母国に同じ制度があるとしても、休業できる期間や給付の仕組みが日本とは異なる場合があります。
そのため、
「日本にもこういう制度があります」
だけではなく、
「休業中には、要件を満たせば利用できる給付制度もあります」
と伝えることで、安心して相談しやすくなります。
具体的な給付要件や金額は制度改正もありますので、実際に利用するときには最新の制度を確認することが大切です。
家族の介護が必要になった外国人社員には?
子育てだけではありません。
外国人社員にも、家族の介護が必要になることがあります。
厚生労働省の資料では、介護休業について、家族を介護するために会社を休む制度として説明し、一定の期間利用できることを紹介しています。
外国人社員の場合には、
「家族が海外に住んでいる」
というケースも考えられます。
そのため企業側が、
「家族は日本にいないから関係ないでしょう」
と決めつけるのではなく、本人から相談があれば、まず制度の対象となる家族や要件を確認することが必要です。
「子どもが病気になったので休みたい」
小さな子どもがいれば、突然熱を出したり、けがをしたりすることがあります。
これは外国人家庭でも日本人家庭でも同じです。
厚生労働省の資料では、育児・介護休業とは別に、子どもが病気になった場合などに世話をするための休暇制度についても説明しています。
外国人社員が、
「子どもが熱を出しました」
と会社に連絡してきたとき、
「有給を使ってください」
とだけ答えるのではなく、利用できる制度がないか確認してあげることも大切でしょう。
制度を知らなければ、相談することもできません
外国人社員にとって一番困るのは、
制度そのものを知らないこと
かもしれません。
知らなければ、
「子どもが生まれたので仕事を辞めるしかない」
「親の介護が必要だから退職しなければならない」
と考えてしまう可能性があります。
厚生労働省の資料でも、外国人社員に育児・介護休業の制度や取得方法を事前に伝えることを勧めています。特に、取得には会社への申請が必要になるため、そのこともあらかじめ説明することが重要です。
「困ったら相談してください」
だけではなく、
「こういうときに使える制度があります」
と企業側から伝えておく。
それだけでも、外国人社員にとっては大きな安心になります。
休業を取った人に「あなたのせいで仕事が増えた」はNG
育児や介護で長期間休む社員がいると、周囲の社員に負担がかかることもあります。
しかし、その不満を休業した本人に向けてよいわけではありません。
今回の厚生労働省資料では、妊娠・出産や育児・介護に関するハラスメントについても取り上げています。
たとえば、子どもを産むために長期間休んだ社員に、
「あなたのせいで仕事が増えた」
など、本人が嫌な気持ちになるようなことを言うことも、ハラスメントに当たる場合があると説明しています。
これは外国人社員だからという話ではありません。
誰かが休んでも仕事を回せる仕組みをつくることは、本来、会社側が考えるべき問題です。
外国人社員にも「日本での人生」があります
外国人雇用について考えるとき、どうしても、
「在留資格」
「人手不足」
「何年間働いてもらえるか」
という話になりがちです。
もちろん、それらも大切です。
しかし、外国人社員も日本で生活している一人の人です。
結婚することもあります。
子どもが生まれることもあります。
家族が病気になることもあります。
介護が必要になることもあります。
そして、仕事と家庭の間で悩むこともあります。
それは、日本人社員と変わりません。
だから企業が外国人社員を受け入れるということは、単に「外国人労働者を雇う」ということではなく、一人の社員が日本で生活しながら働いていくことを受け入れることでもあります。
制度を正しく伝え、必要なときに相談できる環境を整える。
それは外国人社員を特別扱いすることではありません。
日本人にも外国人にも、同じように働き続けられる環境をつくること。
それが、これから外国人材と長く一緒に働いていく企業に求められる姿勢ではないでしょうか。
参考資料
厚生労働省
「外国人社員と働く職場の労務管理に使える ポイント・例文集
~日本人社員、外国人社員ともに働きやすい職場をつくるために~」

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