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介護福祉士国家試験に「パート合格」が導入―特定技能1号の5年を超えて在留できる場合も
介護分野で「特定技能1号」として働いている外国人の方にとって、介護福祉士国家試験への合格は、今後も日本で介護の仕事を続けていくための大切な目標の一つです。
令和7年度(第38回)介護福祉士国家試験から、新しく「パート合格(合格パートの受験免除)」制度が導入されました。
さらに、介護分野の特定技能1号外国人については、5年目の介護福祉士国家試験で一定の成績を収めるなどの要件を満たした場合、特定技能1号の通算在留期間を延長できる措置も設けられています。
今回は、介護福祉士国家試験のパート合格制度と、特定技能1号の在留期間との関係についてご説明します。
介護福祉士国家試験とは
介護福祉士は、介護に関する専門的な知識・技能を有することを証明する国家資格です。
実務経験ルートから国家試験を受験する場合には、原則として、
「実務経験3年」+「実務者研修」など
の受験要件を満たす必要があります。
特定技能「介護」として働いている外国人の方も、要件を満たして介護福祉士国家試験に合格し、介護福祉士の資格を取得することで、在留資格「介護」への変更を目指すことができます。
令和7年度から「パート合格制度」がスタート
第38回(令和7年度)介護福祉士国家試験から、国家試験の科目をA・B・Cの3つのパートに分けて合否を判定する「パート合格制度」が導入されました。
それぞれのパートは、次のように分かれています。
Aパート 60問
- 人間の尊厳と自立
- 介護の基本
- 社会の理解
- 人間関係とコミュニケーション
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
Bパート 45問
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
Cパート 20問
- 介護過程
- 総合問題
合計125問です。
「パート合格」とは?
初めて受験する場合は、A・B・Cのすべてのパートを受験します。
全体の総得点で国家試験に合格できなかった場合でも、パートごとに合否が判定され、一定の合格水準に達したパートについては「パート合格」となります。
合格したパートは、合格した年の翌々年まで受験が免除されます。
たとえば、初年度に、
- Aパート 合格
- Bパート 不合格
- Cパート 不合格
となった場合、翌年度以降は、不合格だったB・Cパートを中心に学習することができます。
再受験の際には、不合格パートの受験は必要ですが、すでに合格しているパートについては、受験免除を利用するか、再び全パートを受験するかを選択することができます。
働きながら介護福祉士を目指す方にとって、学習する範囲を絞ることができるのは大きなメリットといえるでしょう。
注意!「パート合格=介護福祉士」ではありません
ここは、とても大切なポイントです。
一部のパートに合格しただけでは、介護福祉士国家試験に合格したことにはなりません。
A・B・Cすべてに合格して国家試験に合格し、資格登録をすることで、初めて介護福祉士となります。
厚生労働省のQ&Aでも、パート合格者は介護福祉士となる資格を有する者ではなく、介護福祉士としての配置基準や報酬の算定には含まれないとされています。
特定技能1号「介護」は原則5年が上限
ここからが、特定技能「介護」で働いている外国人の方や、受入れ事業所に特に知っていただきたいところです。
特定技能1号として日本に在留できる期間は、原則として通算5年が上限です。
そのため、介護福祉士を目指す場合には、
「5年目になってから国家試験について考える」
のではなく、早い段階から介護福祉士国家試験の受験時期を考えておくことが大切です。
一方で、介護福祉士国家試験にパート合格制度が導入されたことに伴い、一定の要件を満たした特定技能1号外国人について、通算在留期間を延長できる措置が設けられています。
5年目の国家試験で一定の成績を取れば在留期間を延長できる場合があります
介護分野の特定技能1号外国人が、通算5年に達する前の最終年度(5年目)の介護福祉士国家試験を受験し、一定の要件を満たした場合には、介護福祉士資格の取得を目指すため、特定技能1号の通算在留期間を延長できる場合があります。
第38回(令和8年実施)国家試験の場合
次の両方を満たすことが必要です。
① 1パート以上に合格していること
そして、
② 国家試験の総得点が52点以上であること
第38回国家試験の合格基準点は64点です。
その8割以上に相当する得点が必要となるため、52点以上が基準となります。
つまり、
「Aパートに合格したから延長できる」
ということではありません。
1パート以上の合格と、国家試験全体で一定以上の得点を取ることの両方が必要です。
※上記の52点という得点は、第38回国家試験についての基準です。今後の試験については、その年度の基準を確認する必要があります。
5年目は「全パート受験」に注意
もう一つ重要なのが、5年目の受験方法です。
以前の試験ですでにパート合格している場合、通常であれば、そのパートについて受験免除を利用できます。
しかし、特定技能1号の通算在留期間の延長措置を利用する場合には、5年目の国家試験でA・B・Cの全パートを受験することが重要です。
たとえば4年目にAパートに合格していても、
「Aは合格しているから、5年目はBとCだけ受験しよう」
と考えるのではなく、在留期間延長措置の利用を考えている場合には、全パートを受験する必要があります。
特定技能1号の在留期限が近づいている方については、受験方法にも十分注意しましょう。
条件を満たせば自動的に延長されるわけではありません
「1パート以上合格+必要な得点」を満たせば、自動的に特定技能1号の在留期間が延びるわけではありません。
この措置を利用するためには、厚生労働省への確認手続を行ったうえで、地方出入国在留管理局への在留期間更新申請等が必要となります。
そのため、外国人本人だけでなく、受入れ事業所も制度を理解し、早めに準備しておくことが大切です。
受入れ事業所にも早めの確認をおすすめします
介護現場で働きながら国家試験を目指す外国人の方にとって、
「仕事」「実務者研修」「日本語学習」「国家試験の勉強」
を並行して進めることは簡単ではありません。
受入れ事業所においても、まずは、
「この方は、特定技能1号として現在何年目なのか」
を確認してみてください。
そのうえで、
- 介護福祉士国家試験をいつから受験できるのか
- 5年目までに何回受験する機会があるのか
- すでにパート合格している場合、その有効期限はいつまでなのか
- 不合格だったパートはどこなのか
などを確認し、本人と一緒に資格取得までの計画を考えていくことが大切です。
まとめ
介護福祉士国家試験のパート合格制度によって、一度の試験ですべてに合格できなかった場合でも、合格したパートを生かしながら、次の試験に向けて学習を続けられるようになりました。
また、特定技能1号として5年目を迎える方についても、一定の要件を満たせば、介護福祉士資格取得を目指すための在留期間延長措置があります。
ただし、パート合格だけで在留期間が自動的に延長されるわけではありません。
特定技能1号としての通算在留期間を確認し、介護福祉士国家試験をいつから受験できるのか、5年目までに何回受験の機会があるのかを、できるだけ早く確認しておきましょう。
介護福祉士資格の取得は、外国人の方が日本で長く介護の仕事を続けていくための大きなステップです。
受入れ事業所と外国人本人が一緒に将来を見据え、計画的に受験・学習を進めていくことが大切です。
参考:厚生労働省「介護福祉士国家試験におけるパート合格(合格パートの受験免除)の導入について」ほか

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