外国人採用の面接で「国籍」を聞いていい?―企業が知っておきたい募集・面接時の注意点

外国人を採用するとき、企業としては、

「どこの国の方ですか?」

「在留カードを見せてもらえますか?」

と確認したくなるかもしれません。

外国人採用なのだから、当然必要な確認のようにも思えます。

しかし、外国人を募集・面接する場合にも、公正な採用選考を行うことが重要であるとされています。

そして、面接時の「国籍」の質問や、在留カードの提示を求めるタイミングについても具体的な注意点が示されています。

求人で「○○人募集」と書いてよい?

ハローワークの資料では、求人募集の際に、

外国人のみを対象とすること

外国人を応募対象から除外すること

国籍を指定すること

はできないと説明されています。

例えば、

「韓国人スタッフ募集」

「ベトナム人に限る」

といった形ではなく、企業が必要としている能力や経験を募集条件として示すことが基本になります。

資料では、具体例も紹介されています。

海外取引先との業務のため人材が必要なのであれば、

「○○人に限る」

ではなく、

「○○国の会計法に精通している」

「貿易事務経験5年以上」

などを条件とする。

また、通訳を採用したいのであれば、

「○○人に限る」

ではなく、

「○○語ネイティブレベル」

「日本語能力試験N1」

「TOEIC800点以上」

など、仕事に必要な能力を条件として示すという考え方です。

「国籍」ではなく「仕事に必要な能力」を見る

これは外国人採用を考えるうえで、とても大切な視点です。

企業が本当に必要としているのは、

「○○国籍の人」

ではなく、

「○○語を使って仕事ができる人」

「○○国との商習慣を理解している人」

「海外営業の経験がある人」

といった仕事に必要な能力や経験であることが多いはずです。

国籍と能力は必ずしも同じではありません。

例えば、日本国籍でも韓国語を高いレベルで使える人はいますし、韓国籍であっても業務で必要な日本語能力や専門知識が十分とは限りません。

外国人採用でも、採用基準は「国籍」ではなく、その仕事をするために必要な能力・経験・適性を中心に考えることが重要です。

面接で「どこの国の方ですか?」と聞いていい?

ここも企業側が注意したいところです。

面接時に「国籍」を質問するなどの行為は行わないようにするとされています。

その理由について、本籍地、宗教、家族の収入などを確認することと同様に、公正な採用選考や人権上の配慮から、不必要な情報収集であると説明されています。

外国人を採用する面接だからといって、

「まず国籍を確認する」

という進め方ではなく、

その仕事に必要な能力や経験について質問する

という採用面接の基本に沿って考えることが大切です。

でも、在留資格は確認しなくていいの?

もちろん、外国人を採用する以上、

日本でその仕事をすることが認められているか

を確認する必要があります。

ただし、ここで重要なのが確認の方法とタイミングです。

面接時に在留カード等の提示を求めることは適当ではないとしています。

面接段階で在留資格を確認する必要がある場合には、

本人に口頭で質問する

あるいは、

本人から書面で自己申告してもらう

など、在留カードの国籍欄を直接確認しない方法で行い、採用が決まってから在留カードの提示を求めるという考え方が示されています。

在留カードの確認は「採用決定後」

外国人を雇用した場合には、「外国人雇用状況届出」などのため、在留資格や在留期間等を確認する必要があります。

そのため在留カードそのものを確認することは重要です。

ただ、ハローワークは、その確認を面接時ではなく、採用決定後に行うこととしています。

つまり、

面接・選考

採用決定後の在留資格等の確認

を分けて考えるということです。

これは外国人採用をする企業にとって、覚えておきたいポイントです。

面接では何を確認すればよい?

外国人を採用するときも、基本は日本人の採用と同じです。

例えば、

「これまでどのような仕事をしてきましたか」

「当社ではこのような業務を担当してもらう予定ですが、経験はありますか」

「業務では日本語を使用しますが、どの程度対応できますか」

「○○語で取引先と商談することはできますか」

など、仕事内容と本人の能力・経験の適合性を確認していきます。

そのうえで、在留資格について確認する必要があれば、

「現在の在留資格は何ですか」

「就労可能な在留資格をお持ちですか」

など、まず本人から申告してもらう方法が考えられます。

採用が決まった段階で在留カード等を確認し、実際に予定している業務に従事できるかを確認する流れです。

外国人だから特別扱いするのではなく、公正に採用する

外国人採用というと、

「ビザを確認しなければ」

「国籍を確認しなければ」

という意識が先に立ちがちです。

しかし、外国人採用においてもまず基本にあるのは、公正な採用選考であることが分か

求人では国籍ではなく仕事に必要な能力を条件とする。

面接では必要のない個人情報を収集しない。

そして採用決定後、適切なタイミングで在留資格等を確認する。

この順序を理解しておくことで、企業側も安心して外国人採用を進めることができます。

外国人を採用するときに確認すべきなのは、

「どこの国の人なのか」ではなく、「その人が、この仕事をすることができるのか」

という点です。

採用選考上の能力・適性と、入管法上の就労可否。

この二つを分けて確認することが、外国人採用では大切です。


参考資料:厚生労働省・大阪労働局職業安定部職業対策課/ハローワーク「外国人雇用Q&A」

同資料では、求人募集時に国籍を指定しないこと、仕事に必要なスキル等を募集条件とすること、面接時の国籍質問や在留カード確認のタイミングについて具体例を交えて説明されています。

※実際の採用・雇用にあたっては、公正採用選考に関する最新の取扱いや、外国人雇用に関する各種制度をご確認ください。

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