特定技能2号には「試験ルート」と「検定ルート」がある?統計から見る実際の取得ルート

特定技能2号について調べていると、「試験ルート」と「検定ルート」という言葉が出てきます。

特定技能2号になるためには、分野ごとに定められた高い技能水準と実務経験が必要ですが、技能水準を証明する方法はすべての分野で同じではありません。

今回は、出入国在留管理庁が公表している令和7年12月末の統計をもとに、特定技能2号の「試験ルート」と「検定ルート」について見てみます。

1.「試験ルート」と「検定ルート」とは?

試験ルート

試験ルートは、各分野で実施される「特定技能2号評価試験」など、特定技能2号に必要な技能水準を確認するための試験に合格する方法です。

たとえば、

・ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験
・製造分野特定技能2号評価試験
・宿泊分野特定技能2号評価試験
・2号農業技能測定試験
・飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験

などがあります。

分野によって試験の名称や内容は異なります。

検定ルート

一方、分野によっては、特定技能2号のための試験とは別に、既存の技能検定や資格などによって必要な技能水準を証明できる場合があります。

代表的なのが「技能検定1級」です。

たとえば、工業製品製造業では、

・製造分野特定技能2号評価試験+ビジネス・キャリア検定3級

という試験ルートのほか、

・技能検定1級

によるルートも認められています。

つまり、

試験ルート=特定技能2号のために定められた試験等で技能を証明する方法

検定ルート=既存の技能検定や資格等によって技能を証明する方法

と考えると分かりやすいでしょう。

ただし、すべての分野でこの2つのルートが用意されているわけではありません。

2.分野によってルートが違う

令和7年12月末の特定技能2号の統計を見ると、分野によって「試験ルート」と「検定ルート」の有無が異なることが分かります。

分野試験ルート検定ルート
ビルクリーニング
工業製品製造業
建設
造船・舶用工業〇※
自動車整備
航空〇※
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業

※業務区分や対象となる資格・検定等によって取扱いが異なります。

このように見ると、特定技能2号について「試験に合格すればよい」と一律に考えるのではなく、自分が働く分野・業務区分では、どの方法が認められているのかを確認することが重要です。

なお、試験や検定に合格するだけで特定技能2号になれるわけではありません。

特定技能2号は「熟練した技能」を持つ外国人を対象とする在留資格であるため、各分野で定められた実務経験についても確認する必要があります。

3.実際にはどちらのルートが多い?

それでは、実際に特定技能2号で在留している外国人は、どちらのルートを利用しているのでしょうか。

出入国在留管理庁の令和7年12月末の統計では、特定技能2号外国人は合計7,955人です。

その内訳は、

取得ルート人数割合
試験ルート7,623人約95.8%
検定ルート332人約4.2%
合計7,955人100%

となっています。

約96%が試験ルートです。

制度上は検定ルートが用意されている分野がありますが、実際の特定技能2号への移行では、試験ルートが圧倒的に多いことが分かります。

さらに分野別に見てみましょう。

分野2号外国人数試験ルート検定ルート
ビルクリーニング17人15人2人
工業製品製造業840人808人32人
建設1,799人1,510人289人
造船・舶用工業336人336人0人
自動車整備320人311人9人
航空3人3人0人
宿泊30人30人
農業1,282人1,282人
漁業21人21人
飲食料品製造業2,251人2,251人
外食業1,056人1,056人

※出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和7年12月末)」をもとに作成。

4.統計から分かること

試験ルートが圧倒的に多い

まず目につくのは、試験ルートの多さです。

特定技能2号外国人7,955人のうち7,623人、約95.8%が試験ルートです。

現在の特定技能2号への移行では、試験ルートが事実上の中心になっていることが分かります。

検定ルートの多くは建設分野

さらに興味深いのが、検定ルート332人の内訳です。

そのうち建設分野が289人を占めています。

つまり、検定ルートで特定技能2号となった外国人の約87%が建設分野ということになります。

工業製品製造業は32人、自動車整備は9人、ビルクリーニングは2人です。

「検定ルート」という制度が広く利用されているというより、現時点では特に建設分野で利用されているルートと見ることもできます。

検定ルートがない分野も多い

宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業については、この統計では試験ルートのみとなっています。

たとえば飲食料品製造業は2,251人、農業は1,282人、外食業は1,056人と、特定技能2号外国人が比較的多い分野ですが、いずれも試験ルートです。

そのため、特定技能2号については、

「試験ルートと検定ルートのどちらを選ぶか」

というよりも、

「自分の分野にはどのルートが用意されているのか」

を最初に確認することが大切です。

5.まとめ・統計を見て感じたこと

特定技能2号について調べると、「2号評価試験に合格する」という説明を目にすることが多いのですが、実際には分野によって技能検定などを利用できるルートもあります。

一方で、令和7年12月末の統計を見ると、約96%が試験ルートです。

さらに、検定ルート332人のうち289人が建設分野であることを考えると、現状では「特定技能2号は基本的には試験ルート、一部の分野では検定ルートもある」と理解すると分かりやすいのではないでしょうか。

特定技能2号は、まだ制度が動き始めてそれほど長くありません。

これから2号外国人が増えていくにつれて、試験ルートと検定ルートの割合や、分野ごとの人数も変化していく可能性があります。

制度の説明だけを読んでいると少し分かりにくい特定技能2号ですが、このように実際の統計と一緒に見てみると、「どのような人が、どのルートで2号へ移行しているのか」が少しずつ見えてきます。

今後も公表される統計を確認しながら、特定技能2号の実際の動きを見ていきたいと思います。

※本記事は、出入国在留管理庁が公表している令和7年12月末時点の資料をもとに作成しています。試験・検定の要件や対象となる業務区分等は変更されることがありますので、申請の際は最新の分野別運用方針・運用要領等をご確認ください。

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