【2026年10月最新】特定技能「外食業」の給食業務、2027年4月から受入れ再開へ―飲食料品製造業分野への移行案を解説

2026年10月19日、政府は、特定技能1号「外食業分野」の新規受入れが停止されていることを受け、病院・福祉施設・学校などの給食業務について、2027年4月から受入れを再開する方針を示しました。

ただし、外食業分野全体の受入れ停止が解除されるわけではありません。

今回の政府案では、医療・福祉施設などの給食業務を「飲食料品製造業分野」の対象に追加し、同分野で受け入れることが検討されています。

本記事では、2026年10月19日の有識者会議資料と出入国在留管理庁の公表情報をもとに、変更案の内容と実務上の注意点を解説します。

1.特定技能「外食業分野」はなぜ受入れが停止されたのか

特定技能1号の外食業分野では、2026年1月の閣議決定により、2028年度末までの受入れ見込数が5万人とされました。

しかし、受入れ人数が早期に上限へ達する見込みとなったことから、2026年4月13日、出入国在留管理庁は在留資格認定証明書の交付を一時的に停止しました。

同日以降に受理された外食業分野の在留資格認定証明書交付申請は、原則として不交付となっています。

また、国内での在留資格変更許可申請についても、申請日や現在の在留資格などによって取扱いが異なります。

一方、既に外食業分野の特定技能1号で働いている外国人の在留期間更新許可申請については、通常どおり審査が行われています。

つまり、外食業分野のすべての在留申請が停止されているわけではありません。

2.医療・福祉施設の給食業務に限り受入れを再開する理由

外食業分野の受入れ停止により、特に深刻な影響が懸念されたのが、病院や高齢者施設などの給食業務です。

病院や介護施設では、患者や利用者の健康状態に応じた食事を毎日提供する必要があります。

しかし、給食調理員の人手不足が続いており、外国人材の新規受入れが難しくなることで、給食提供体制の維持に支障が生じるおそれが指摘されていました。

2026年8月に厚生労働省が実施した給食事業者への調査では、回答した34社すべてで人員不足が確認されています。

こうした状況を踏まえ、政府は、医療・福祉施設などの給食業務について、緊急的な対応を行う方針を示しました。

3.2027年4月から何が変わるのか

2026年10月19日に開催された「第15回 特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」では、給食業務を飲食料品製造業分野で受け入れる案が示されました。

主な内容は次のとおりです。

項目政府案の内容
受入れ開始予定2027年4月(令和9年度)
対象となる業務医療・福祉施設、学校などの施設給食業
受入れ分野飲食料品製造業分野
対象となる申請令和9年度からの新規申請分
一般飲食店の取扱い外食業分野の受入れ停止措置は継続
制度改正分野別運用方針や関係告示の改正を予定

今回の案では、日本標準産業分類の「施設給食業(小分類773)」を対象として、学校教育、医療業、社会保険・社会福祉・介護事業を営む事業所における給食業務を、飲食料品製造業分野の対象に加える方向です。

重要なのは、勤務先が病院や介護施設であれば、すべての調理業務が対象になると決まったわけではないことです。

実際の受入れに当たっては、事業所の産業分類、業務内容、受入れ機関の要件などを確認する必要があります。

4.外食業の技能試験合格者は対象になるのか

今回の制度変更で注目されるのが、技能試験の取扱いです。

外食業分野と飲食料品製造業分野の技能試験は、いずれも一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)が実施していますが、それぞれ別の試験です。

従来、飲食料品製造業分野では、原則として同分野の技能評価試験への合格等が求められています。

今回の給食業務の受入れに際し、既に外食業分野の技能試験に合格している外国人について、どのような取扱いが認められるかは、今後の正式な制度改正や運用要領を確認する必要があります。

特に、外食業分野での就労を予定していた外国人や、既に給食業務に従事している外国人については、今後の発表が注目されます。

5.受入れ企業が今後確認しておきたいこと

病院や福祉施設などの給食業務で外国人材の採用を検討している企業は、今後、次の点を確認する必要があります。

  • 自社の事業所や給食業務が新たな対象に含まれるか
  • 外食業分野の技能試験合格者の取扱い
  • 技能実習修了者の試験免除の範囲
  • 給食委託会社が受入れ機関となる場合の要件
  • 申請受付の開始時期と必要書類

なお、飲食料品製造業分野では、受入れ機関に対し、食品産業特定技能協議会への加入などが求められています。

今回新たに追加される給食業務についても、最終的な運用要領や告示の確認が必要です。

7.今後のスケジュール

政府は、2026年12月の閣議決定を目指し、2027年4月からの受入れ開始を予定しています。

ただし、2026年10月21日現在、今回の内容は政府が有識者会議に示した改正案の段階です。

今後、正式な制度改正や運用要領の公表によって、対象業務、技能要件、申請方法などが明らかになる見込みです。

そのため、現時点で新しい制度による在留資格申請が可能になったわけではありません。

まとめ|外食業全体の再開ではなく、施設給食業への緊急的な対応

今回の政府案は、外食業分野の受入れ停止措置を全面的に解除するものではありません。

病院、福祉施設、学校などの給食業務について、公共サービスの継続と深刻な人手不足への対応を目的として、飲食料品製造業分野での受入れを認める方向です。

一方で、技能試験の取扱いや受入れ機関の具体的な要件など、実務上確認すべき事項は残されています。

ハートフルサポート行政書士事務所では、今後も出入国在留管理庁や農林水産省の公表情報を確認し、特定技能制度に関する最新情報をお伝えしてまいります。


参考資料・出典

  1. 出入国在留管理庁「第15回 特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」(2026年10月19日)資料2-2「外食業分野における医療・福祉施設給食業等の飲食料品製造業分野での受入れ(案)について」
  2. 出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」(2026年4月13日)
  3. 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(2026年10月19日掲載)
  4. 出入国在留管理庁「飲食料品製造業分野」制度案内

※本記事は2026年10月21日時点の公表情報に基づいています。今後の正式決定により内容が変更される場合があります。

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