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特定技能1号「工業製品製造業」は最長6年まで在留できる?2号試験不合格者の特例を解説
特定技能1号の在留期間は、原則として通算5年までです。
しかし、工業製品製造業分野では、特定技能2号への移行に必要な試験に不合格となった場合でも、一定の点数を取得し、その他の要件を満たしていれば、特定技能1号の在留期間を最長1年間延長できる特例があります。
つまり、入管から在留期間更新の許可を受けることができれば、特定技能1号として通算最長6年まで在留できる可能性があります。
この記事では、対象となる試験、必要な点数、本人と受入れ企業に求められる条件について解説します。
特定技能1号の在留期間は原則として通算5年
特定技能1号では、在留できる期間が通算5年以内に制限されています。
そのため、5年を迎えるまでに、特定技能2号へ移行する、他の在留資格へ変更する、又は帰国するなど、今後の方針を決める必要があります。
ただし、特定技能2号への移行を目指して試験を受験したものの、合格まであと少しだった外国人については、一定の要件を満たす場合に限り、特定技能1号の通算在留期間を最長1年間延長する取扱いが設けられています。
これは自動的に在留期間が延長される制度ではありません。必要書類をそろえて在留期間更新許可申請を行い、出入国在留管理局から許可を受ける必要があります。
工業製品製造業分野で対象となる試験
工業製品製造業分野で、試験ルートにより特定技能2号へ移行するためには、原則として次の試験に合格する必要があります。
1.製造分野特定技能2号評価試験
次のいずれかの試験区分を受験します。
- 機械金属加工区分
- 電気電子機器組立て区分
- 金属表面処理区分
製造分野特定技能2号評価試験の合格基準は、正答率60%以上です。
2.ビジネス・キャリア検定3級
次のいずれかの試験区分が対象です。
- 生産管理プランニング
- 生産管理オペレーション
特定技能2号への移行には、これらの試験に加えて、日本国内に拠点を持つ企業の製造現場における3年以上の実務経験も必要です。
1年間の延長を受けるために必要な点数
出入国在留管理庁及び工業製品製造業分野の試験実施機関である一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)の案内では、不合格となった試験について、原則として「合格基準点の8割以上」の得点を取得していることが基準とされています。
ここでいう「8割以上」とは、試験問題全体の80%以上という意味ではありません。
「合格基準点の80%以上」という意味です。
製造分野特定技能2号評価試験の場合、合格基準は正答率60%以上です。そのため、計算上は次のようになります。
60%(合格基準)×80%=48%
したがって、製造分野特定技能2号評価試験については、正答率48%以上が点数面での目安となります。
ただし、工業製品製造業分野の2号試験ルートでは、製造分野特定技能2号評価試験だけでなく、ビジネス・キャリア検定3級も関係します。
そのため、延長の可能性を検討するときは、両方の試験について、合否、得点及び受験時期を確認する必要があります。
点数以外にも要件があります
合格基準点の8割以上を取得していれば、必ず1年間延長されるわけではありません。
出入国在留管理庁の案内では、点数以外にも、本人と受入れ企業について一定の要件が設けられています。
外国人本人に関する主な要件
外国人本人には、主に次のような対応が求められます。
- 合格基準点の8割以上を取得した試験の合格に向けて、引き続き勉強すること
- 延長期間中に、特定技能2号への移行に必要な試験を受験すること
- 試験に合格した場合は、速やかに特定技能2号への在留資格変更許可申請を行うこと
- 延長期間中に試験へ合格できなかった場合は、速やかに帰国すること
これらについて、外国人本人が誓約することになります。
受入れ企業に関する主な要件
受入れ企業には、主に次の条件が求められます。
- 対象となる外国人を引き続き雇用する意思があること
- 特定技能2号の試験合格に向けた指導、研修、学習支援などを行う体制があること
単に雇用を1年間延長するだけではなく、その間に外国人が特定技能2号へ移行できるよう、企業側も具体的な支援を行う必要があります。
「相当の理由」があると認められる必要があります
この特例は、試験に不合格となった外国人全員に一律に認められるものではありません。
点数や本人・企業の要件を満たしたうえで、特定技能1号の通算在留期間である5年を超えて在留させることについて「相当の理由がある」と出入国在留管理局に認められる必要があります。
したがって、申請では次のような事情を具体的に説明することが重要です。
- これまでの受験状況と取得点数
- 特定技能2号への移行に向けた学習状況
- 次回の受験予定
- 受入れ企業が行う指導や研修の内容
- 企業が引き続き雇用する必要性
- 外国人本人の勤務状況
試験の点数だけで判断するのではなく、外国人本人と受入れ企業が本当に特定技能2号への移行を目指しているかどうかも審査されます。
試験結果を証明する書類が必要です
在留期間更新許可申請では、合格基準点の8割以上を取得していることを確認できる試験結果通知書などが必要です。
製造分野特定技能2号評価試験については、受験時期によって結果通知書の取得方法が異なります。
2025年11月4日以降に実施された試験
受験後、プロメトリックのマイページから結果通知書を確認し、取得します。
2023年11月から2025年7月までに実施された試験
対象者は、JAIMに対して、在留期間更新許可申請に使用できる結果通知書の発行手続きを行う必要があります。
通常の方法で取得した結果だけでは申請に使用できない場合があるため、注意が必要です。
ビジネス・キャリア検定3級についても、合格基準点の8割以上を取得していることを確認できる書類の準備が必要です。
最長1年間の延長であり、必ず「1年」の在留期間が付与されるとは限りません
この取扱いは、特定技能1号の通算在留期間を「最長1年間」延長できるものです。
そのため、在留期間更新許可申請をすれば、必ず在留期間「1年」が付与されるという意味ではありません。
本人の在留状況、雇用契約の期間、試験の実施時期、次回の受験予定などを踏まえて、個別に審査されます。
また、この特例を利用できるのは原則として1回限りであり、特定技能1号として何度も延長できる制度ではありません。
延長期間中に必要な試験へ合格した場合は、速やかに特定技能2号への変更申請を行う必要があります。
早めに試験日と通算在留期間を確認しましょう
特定技能1号としての通算在留期間が5年に近づいてから準備を始めると、試験の申込期間や結果通知書の発行が間に合わない可能性があります。
特に、工業製品製造業分野では、製造分野特定技能2号評価試験だけでなく、ビジネス・キャリア検定3級についても確認しなければなりません。
受入れ企業と外国人本人は、早めに次の事項を整理しておくことが大切です。
- 特定技能1号としての正確な通算在留期間
- 2号試験の受験資格を満たしているか
- これまでに受験した試験の種類
- 試験の合否と取得点数
- 次回の試験日程
- 結果通知書の取得方法
- 受入れ企業が行う学習支援や研修の内容
まとめ
工業製品製造業分野では、特定技能2号への移行に必要な試験に不合格となった場合でも、合格基準点の8割以上を取得するなど、一定の要件を満たせば、特定技能1号の通算在留期間を最長1年間延長できる可能性があります。
ただし、点数だけで自動的に延長されるわけではありません。
外国人本人が特定技能2号への移行を目指して再受験すること、受入れ企業が引き続き雇用し、試験合格に向けた支援を行うこと、5年を超えて在留する相当の理由があることなどが必要です。
また、工業製品製造業分野では、製造分野特定技能2号評価試験とビジネス・キャリア検定3級の両方について、受験状況や点数を確認することが重要です。
特定技能1号の通算在留期間が5年に近づいている場合は、試験結果や在留期間を早めに確認し、余裕をもって準備を進めましょう。
※本記事は2026年9月2日現在の公表情報をもとに作成しています。制度や必要書類は変更される場合がありますので、申請時には必ず最新の情報をご確認ください。
根拠・参考資料
- 出入国在留管理庁「通算在留期間」
https://www.moj.go.jp/isa/10_00233.html - 出入国在留管理庁「特定技能制度」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/index.html - 一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)「製造分野特定技能2号評価試験 試験概要」
https://www.jaim-skill.or.jp/exam/about-ssw2/ - 一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)「製造分野特定技能2号評価試験の結果通知書について」
https://www.jaim-skill.or.jp/exam/about-ssw2/results-notification/

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